Last Updated on 2023年12月28日 by カメさん
こんにちは!看護師のカメさん(@49_kame)です。
この記事は5分程度で読めます。
今回は看護師として大学院に進学する方法を紹介するよ
この記事はなんとなく大学院に進学したいけど、手順がわからないと感じている人の背中を押すことができる内容になっています。
昔は看護師が大学院に行くというと珍しい目で見られることも多かったと思います。しかし、今では看護師としてキャリアを積み上げていく上ではメジャーな選択肢になりつつあります。また、看護学部を卒業して、そのまま大学院に進学することも一般的になりつつあります。
大学院に進学する目的も多様化しており、最近では「専門看護師取得のため」や「研究方法や教育を学ぶため」に進学する人も増えています。
少しでも大学院に興味がある人は、この記事を読んで気軽に踏み出してもらえると嬉しいです。
大学院に進学するまでの流れ
まず最初に大学院に進学するまでの流れを下記に示します。
それでは、それぞれの段階を詳しく解説していきます。
大学院に興味を持ったら、まずは情報収集
学部生であれば所属している大学の先輩、看護師の方であれば勤務している病院や施設に、大学院進学経験のある方を探しましょう。体験者の話が一番参考になります。
看護師の方の場合は、勤務先の状況も調査する必要があります。例えば下記のようなことを確認しましょう。
これらのことは病院や施設によって条件が異なります。そのため、できれば同じ施設の進学経験者に話を聴くことをお勧めします。
もし身近に大学院進学者がいなければ、インターネットで経験者の情報を集めましょう(例えば、このブログのような)。「看護師 大学院」で検索するとブログがいくつか出てきます。
大学院に進学することが一般的になりつつあるとはいえ、まだまだ新しいことです。そのため自分で情報を収集することが大事になります。
働きながら大学院に通えるのか気になっている人は下記の記事を参照してください。
興味があることを整理しよう
大学院で学べる内容は多岐に渡ります。そのため、何を学びたいかを明確にする必要があります。自分がどんなことに興味があり、どんなことを学びたいか整理しましょう。
もともと「精神看護の専門看護師になるぞ!」などの熱い目標がある人もいれば、「なんとなく研究に興味があるな」という人までそれぞれだと思います。
色々な背景の人はいますが、大学院に進学する際は「どのようなことを学びたいのか・研究したいのか」を明確にする必要があることは全員に共通です。そのため、自分の興味があること明確にしておくことは重要です。
看護学生であれば看護学部の4年間の実習で、看護師の方であれば臨床経験を重ねてきた中で、どんなことに興味を持ったのかを振り返ってみましょう。
振り返るポイントは下記のような内容です。
このような、感情が動かされた経験を探すことがポイントです。
これらの感情が動かされた経験は臨床疑問とも呼ばれていて、研究を計画していく上での基礎になるよ。臨床疑問について詳しく知りたい方は下記の記事を参照してください。
興味があることは何でも良いです。どんな内容でも、研究疑問にすることができます。難しく考えすぎず、とりあえず興味があることのキーワードだけ明確にしておきましょう。僕の場合は「教育」とか「暗黙知」とかのキーワードでした。
興味があることのキーワードは、研究室を選ぶ際の面談時や、入学時の研究計画の作成時に必要になるので整理しておきましょう。
研究室を探そう
なんとなくでも良いので興味があることのキーワードが明確になったら、次に研究室を探してみます。大学院受験は、これまでの高校大学受験と違って、学校を選んでに入学するというよりも研究室に入るというイメージがわかりやすいと思います。
研究室によって学べることや研究できることが異なるので、自分の興味があることに合った研究室を選ぶことが重要です。
看護系大学院は主に2つのコースに分かれており、それぞれに研究室があります。それぞれ見ていきましょう。
大学院には2つのコースがある
大学院のコースには大きく分けて下記の2つのコースがある
ちなみに最近では、診療看護師養成コースや助産師養成コース、周麻酔期看護師養成コースなど、新たな分野も増えています。興味のある方は調べてみてください。
実践コースは、研究に加えて実習や専門的な学習もあるので働きながらだと休職期間の調整などが必要になるよ!働きながら大学院に通えるかどうかを知りたい方は下記の記事参照してください。
自分がどのようなコースで学びたいかが決まったら、具体的に研究室を探しましょう。研究室の探し方は、下記の記事にまとめているので参照してください。
【研究室の選び方】看護師も大学院へ行こう「研究室はどこにする?」
興味を持ったキーワードが、どこの研究室にも当てはまるか分からないという時は、基礎看護系の研究室に話を聴きに行くことをおすすめします。基礎看護系の研究室であれば、基本的に何でもできます。ただし、やってみたい研究手法について、教員の研究経験が無い場合は難しいかもしれません。例えば現象学的研究の経験がない教員のもとで、現象学的な研究を行うのは難しいです。
研究室に連絡を取ろう
興味のある研究室が決まったら、次は研究室の教員に連絡を取ってみましょう。繰り返しになりますが、大学院受験は大学受験と違って大学に入学するというよりも研究室に入るというイメージです。
そのため受験をする前に、事前に研究室の教員に話しを聞くことが一般的です。
研究室の教員との事前の面談が受験資格の1つになっているところもあるよ。
研究室の教員に話しを聞く方法は以下の2つがあります。
それぞれ説明していきます。
オープンラボとは?
オープンラボとは大学院の説明や、研究室の見学等ができるイベントです。大学のオープンキャンパスのようなものだと考えてください。
大学のホームページにお知らせが出ますので確認しましょう。5月くらいから夏の終わりまでの期間に実施されるところが多いです。多くのオープンラボでは全体説明の後、各研究室での見学時間・相談時間が設けられているので利用しましょう。
在籍している先輩の話を聴こう
オープンラボの研究室見学では、在籍している先輩の話を聴くことができます。必ず話を聴きましょう。話を聴くべき内容は下記のようなことです。生の声を聴くことが重要です。
※大学院では、授業以外に各研究室毎にゼミがあります。ゼミでは各自の研究内容を吟味したり、クリティークを行ったりします。クリティークについては下記を参照してください。
【クリティークとは?】看護研究の疑問を解決「みんなで論文を読もう」
オープンラボだと、教員は良いことしか言わないのは当然だからね。自分に合った研究室に入らないと地獄なので必ず生の声を確認しよう!
研究室に直接連絡できるの?
次の方法は、研究室に直接連絡する方法です。研究室に直接連絡する場合、まずは大学院のそれぞれの研究室の中から興味のある研究室を選びましょう。
研究室の紹介ページのどこかに連絡先(教員のメールアドレス等)が記載してあると思います。その連絡先に直接連絡して面談日程の調整を行います。
直接連絡する際の注意点は教員が多忙であるということを、十分配慮して連絡するということです。下記のポイントを守って連絡しましょう。
直接連絡するのは抵抗があるかもだけど、礼儀さえ守れば、教員はフレンドリーな人が多いです。興味がある研究室にはいくつか話を聴きに行きましょう!
いよいよ大学院入試
研究室に連絡を取り、学びたい分野・研究室が決まったら、いよいよ入試の準備です。入学試験の準備としては下記の2つがあります。
必要書類の準備
大学院入試の際の必要書類には、看護学部時代の成績証明書や、大学院進学の志望理由書、大学院入学後に検討している研究の計画書など様々です。
書類の準備には時間がかかるので、計画的に準備を進めましょう。
入学試験までの準備については、下記の記事にまとめているので参照してください。
【大学院入試までにすることは?】看護師も大学院へ行こう「試験までにやることを整理しよう」
入学試験の対策
入学試験の形式は大学院により様々です。基本的には下記のような構成です。
英語試験については外部試験(TOEICなど)のスコアの提出で良い学校と、入学試験当日に試験を受ける形式の2つがあります。珍しいですが、英語面接を取り入れている大学院もあります。
専門試験は在籍している大学院生に過去問を聴いたり、研究室の教員に予想問題を聴くなどの対策が取れるため、ここでは差がつきません。当然、面接でも大きな差はつきません。そのため、勝負となるのが英語試験です。英語試験についての詳細は下記の記事を参照してください。
【大学院入試の英語試験対策】看護師も大学院へ行こう「英語試験の勉強方法を理解しよう」
英語力は入学試験だけでなく、大学院入学後も英語の論文を読む際などに必要となるため、苦手な人はいまのうちに鍛えておきましょう。
基礎的な英語力はTOEICなどの目標を作って身に着けることがおすすめです。TOEICが外部試験として認められているのであれば、一石二鳥です。独学でも始められるので、参考書を買って始めてみましょう。
大学院入試は論文を読むテストだからTOEICを勉強しても意味がないと言う人もいるけど、基礎的な英語力がないと、論文なんて読めないからね。1つの目標としてTOEICはおすすめだよ。点数を履歴書に書けるっていうのもおすすめポイントの1つかな。
独学が苦手で何から手を付けて良いか分からないという方は、アプリやコーチングなどの英語学習サービスを利用するのも1つの手です。おすすめの英語学習サービスを下記に記載するので良かったら参考にしてください。
まとめ
大学院に行くタイミングは、少しでも興味を持った今この瞬間です。
何はともあれ、まずは自分が何に興味があるのかを明確にしましょう。
ちなみに「大学院に行きたい!」という勢いも大事だけど、家族や職場の上司に必ず相談しよう。大学院に進学するためには協力してくれる人の存在が必須だからね。
おまけ:入学前、進学中、卒業後を通して目標を明確にする
大学院に進学したら目標を持ち続けることが重要です。現在の大学院を目指している時も、大学院に入学して研究に取り組む時も、常に卒業後に自分が何をして行きたいかの目標を明確にしましょう。
大学病院で働いていると、大学院で燃え尽きてしまった先輩達を良く目にします。その原因は目標と手段がごっちゃになってしまったからだと思います。
おさえておいて欲しいことは、大学院入学や卒業はゴールではないということです。大切なのは「自分が看護師人生において何をしたいのか」「やりたいことを達成するために何を学ぶ必要があるのか」などの長期的な目標・手段を明確にすることです。長期的な目標・手段を明確にしながら進めば、道に迷う可能性も低くなるでしょう。
目標の明確化は、モチベーションを維持する上でも重要だよ。8割の人が途中でモチベーションが低下するからね。モチベーションが低下したら、本当の自分の目標を思い出そう。
それでは、一緒に看護研究を楽しみましょう!
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