Last Updated on 2023年7月19日 by カメさん
こんにちは!看護師のカメさん(@49_kame)です。
この記事は3~4分程度で読めます。
今回は、PI(E)COについて解説するよ
PI(E)COを理解することで、系統的に研究テーマを計画したり、効率良く論文を読めるようになるよ。
PI(E)COとは?
PICO(ピコ)、PECO(ペコ)と読むよ
PI(E)COとは?
- 根拠に基づく医療をEvidence-Based Medicineを実践するための最初のステップ
- 疑問の定式化ーの際に、問題解決のカギとなる用語を取り出すもの
PI(E)COを使用することで、漠然としたクリニカルクエスチョンが実行可能なリサーチクエスチョンへと変化します。
PI(E)COとはそれぞれ何を表す?
以下がPI(E)COの概要を表にしたものです。
PI(E)COとはPatient「誰に?」Intervention&Exposure「何によって?」Comparison「何と比較して?」Outcome「どうなる?」の頭文字です。
Patient「誰に?」
研究では自身の研究疑問を、研究対象者を用いて調査することになります。Pとは研究対象者のことです。
本当に自分の疑問を解決できるのに適切な対象者なのかを検討する必要があります。また、どのように対象者を選択するのかもここで検討します。
P(研究対象)について、できるだけ具体的に検討しよう
Patient(研究対象者)の検討
具体的にPatient(研究対象者)を検討するために、「適格基準」「除外基準」「選定方法」を検討します。
適格基準・除外基準とは?
- 適切な対象者かを検討する。
- どんな人が該当し、どんな人が該当しないかを検討する。
選定方法とは?
- 母集団から対象を抽出する方法を検討する。
- どのような標本抽出法を用いて対象を選定したかを検討する。
Intervention&Exposure「何によって?」
介入研究ではIntervention、観察研究ではExposureです。
Interventionとは?
- 治療法や教育法などの効果を調べる研究
- 例えば、看護学生に対してVRを用いた教育方法を行い、効果を測定するなど
Exposureとは?
- Aという要因がある群とない群で結果に差があるかなどを調べる研究
- 例えば、喫煙がある群とない群で肺がんの発症率に変化があるかなど
ここは自分が研究疑問として最も興味を持った部分だと思うよ。具体点に「どんな要因なのか」「どんな介入方法なのか」を検討しよう。
Comparison「何と比較して?」
効果があるかどうかを分析するためには、InterventionやExposureによる効果に加えて、別の要素での比較が必要となります。そのためComparisonでは比較する対照を明確にします。
InterventionにおけるComparisonは?
- 介入した群と介入していない群では比較しない(介入した群に影響が出る可能性が大きいから)。
- Comparisonとして別の介入を検討する。
- 例えばinterventionがVRを用いた教育、comparisonが通常の講義による教育など。
ExposureにおけるComparisonは?
- ある要因に「暴露した群」と「暴露していない群」の比較など。
- 例えば喫煙している群がExposureで、喫煙していない群がcomparison。
Outcome「どうなる?」
Outcomeには主要評価項目と副次評価項目の2種類があります。研究で示したいものがどちらのOutcomeであるのかを整理しましょう。
主要評価項目とは?
- primary outcomeやprimary endpointとも言われる。
- 主要評価項目を明示することで、この研究で最も注目したいOutcomeを宣言できる。
- この研究で最も主張したい意義を意味する。
副次評価項目とは?
- secondary outcomeやsecondary endpointとも言われる。
- この研究の仮説を補強するために用いる。
- この研究の仮説とは別の仮説を同時に検証するためにも用いる。
- 副次的な評価をすることで、主要評価項目の妥当性が向上する。
Outcomeは研究の意義を示すために重要です。対象者にとっても、社会的にも必要性の高い結果なのかを示すことが大切です。
要因や介入によって影響のある指標は沢山あると思うけど、これぞというものを1つ~2つに絞って検証しよう!
測定用具の質が研究の質も高める!
Outcomeは適切な指標によって導き出されたものかどうかということも重要です。測定用具の信頼性・妥当性も含めてOutcomeの内容を検討しましょう。
まとめ
PI(E)COにより、クリニカルクエスチョンを構造化することで、リサーチクエスチョンが明確になり、質の高い研究へと繋がることが期待できます。
何事も準備が大切です。PI(E)COによる構造化は研究の骨組み作りになりますので入念に検討しましょう。
PI(E)COは論文を読む際にも使えます。気になった論文を読む際にPI(E)COでまとめると系統的に読めますし、記録にもなるのでおすすめです。
論文は文字量が多くて大変だけど、PI(E)COを使ってまとめれば簡単に概要を掴むことができるよ。
コメント