Last Updated on 2023年7月19日 by カメさん
こんにちは!看護師のカメさん(@49_kame)です。
この記事は3分程度で読めます。
今回は研究で収集するデータと尺度について解説するよ。
論文を読んでいると尺度という言葉を良く耳にすると思います。例えば自己肯定感を測定するようなセルフエフィカシー尺度とかです。今回はそのような尺度の説明ではなく、もう少し根本的なデータの扱い方について説明したいと思います。
今回説明するのは5段階とかで評価する尺度とは別物だよ。
研究で扱うデータには、「量的データor質的データ」「連続変量or離散変量」「4つの尺度」の分類がある
研究で扱うデータは「量的データや質的データ」、「連続変量や離散変量」、「尺度」などの分類があります。
「量的データ」や「質的データ」の違いは計算できるかどうか
量的データ
数値で表現する意味があって四則演算(足したり引いたり割ったり掛けたり)ができるもの
質的データ
言葉で表現することが多く四則演算ができないもの
四則演算とは足し算・引き算・掛け算・割り算のことだよ。
量的データは計算できて、質的データは計算できないってことだね。
「連続変量」「離散変量」とは連続的に変化する数値かどうか
連続変量
その名の通り連続的に変化する数量で、小数点値を取る(体重とか面積とか)。
離散変量
整数値で小数点値を取らない。人数や個数など小数点で表現するような連続性がない数値。
尺度には「名義尺度」「順序尺度」「間隔尺度」「比率尺度」の4つがある
名義、順序、間隔、比率の4つの尺度でデータを分類することができます。
この分類では名義→順序→間隔→比率尺度の順で、情報量が多くなります。
情報量が多いというのは、その情報が様々な意味を持つということだよ。
質的データ:名義尺度・順序尺度
量的データ:間隔尺度・比率尺度
ちなみに大は小を兼ねるから、間隔・比率尺度などの量的データをカテゴライズして質的データとして扱うこともできるよ。
「名義尺度」とは、「分類」にのみ意味を持つデータ
名義尺度は分類にのみ意味を持ちます。順序や、大きい小さいなどの情報はありません。
そのため合計や平均などの計算ができません。
「順序尺度」とは、「分類」+「順序・大小関係」に意味を持つデータ
分類に加えて、順序・大小関係に意味を持ちます。
データの持つ情報量が増えてきたね。
しかし、数値の間隔や比率の情報は持たないため四則演算ができません。
「間隔尺度」とは、「分類」+「順序・大小」+「間隔」に意味を持つデータ
分類、順序・大小に加えて間隔が等しいという特徴があります
間隔が等しいので足したり引いたりの計算ができ平均や合計が出せます。
原点0が相対的な値、つまり0と言っても全く無いわけではないので割り算や掛け算はできません。
相対的な0というのは、ある1つの基準でしかない0のことだよ。例えば、西暦0年に何も無かったわけではないよね。だから西暦1000年から2000年は1000年増えたと言えるけど、2倍になったとは言えないよ。
前述した「~を測定する尺度」は、基本的には順序尺度ですがリッカート尺度といって、4段階や5段階で評価し得点を出す形式とすることで間隔尺度として扱い、平均や合計点を出しています。
論文でよく見る「~尺度」は間隔尺度として扱われて、量的な分析をされることが多いよ。
「比率尺度」とは、「分類」+「順序・大小」+「間隔」+「比率」に意味を持つデータ
分類、順序・大小、間隔に加えて比にも意味を持つデータです。
絶対的な原点0があるため、四則演算全てが使えるようになります。
絶対的な原点0とは、0と言ったときに本当に何も無い0のことだよ。例えば身長0㎝は本当に何の高さもないよね。
割り算・掛け算は明確な基準がある時のみ計算できるよ。
「まとめ」
いままでの説明を図にすると、以下のような図になります。
自分が扱うデータがどのような尺度になるのかを考えながらデータを扱いましょう。
「引用・参考文献」
・対馬栄輝(2020).医療統計解析使いこなし実践ガイド.羊土社,東京.
- 前田 樹海(2015).この1冊でできる! はじめての看護研究.ナツメ社,東京.
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