Last Updated on 2023年3月29日 by カメさん
こんにちは!未来予想とか最新技術の話題が大好きな看護師のカメさん(@49_kame)です。
この記事は5分程度で読めます。
今回は最近注目の5Gについて看護の視点から考えたいと思います。
2020年3月から5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスが開始されました。医療業界では情報通信機器の急速な普及により遠隔診療を中心として5Gの活用が期待されています。
5Gって何だ?
5Gとは、5th Generation(第5世代移動通信システム)の略で、次世代の通信システムのことです。一般的に 5G では「超高速・大容量」、「超低遅延」、「多数同時接続」の 3 つの特徴が挙げられています。
1Gから4Gに至るまで、通信速度の向上が進んできたけど、新たな通信基盤である5Gは4Gより更に高速化した「超高速」以外にも特徴があるんだね。
4Gまでは人と人とのコミュニケーションを行うツールでしたが、5Gは上記の特徴を活かして人とモノが繋がるIoT時代のコミュニケーションツールとしての役割を果たすとされています。
Iotとは?
IoTはInternet of Thingsの略です。直訳すると「モノのインターネット」ですね。つまりモノがインターネット経由で通信することを意味します。
5Gの医療での活用場面を解説
医療分野においても上記のような5Gの特徴を活かした応用が期待されます。
超高速・大容量
4Kや8Kなどの大容量映像をリアルタイムで伝送することができ、4G環境では困難であったCTやレントゲン画像などの医療用画像のデータも円滑に送信・受診できるようになります。その結果、遠方や自宅にいる専門医が医療用画像データを基に一定の診断や助言を行う遠隔コンサルテーションが可能になります。
5Gを活用した遠隔コンサルテーションでは、現場の医師や看護師が撮影する高画質動画データをリアルタイムで遠方にいる専門医と共有することも可能となります。
病院外でのコンサルテーションを行う場合は、個人情報を扱うため支援者側がプライバシーに十分配慮する必要があよ。
超低遅延
5Gの特徴の一つである超低遅延により、機械等をスムースに遠隔操作できるようになります。結果として、ロボットの精緻な操作をリアルタイムで行うことができるようになり、遠隔ロボット手術が可能となります。
通信回線だけでなくて、映像を伝送・表示する際の遅延も影響 するため、総合的にどの程度の遅延が許容されるのかを検証する必要があるよ。
遠隔ロボット手術の適応は?
厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針(令和元 年7月改定)において「高度な技術を要するなど遠隔地にいる医師でないと実施が困難な手術等を必要とし、かつ、患者の体力面などから当該医 師の下への搬送・移動等が難しい患者を対象に行うこと」とされています。
情報通信機器に不具合があった際に、現場にいる医師が手術を継続することができる体制づくりも求められるね。
多数同時接続
今後、IoTデバイスの発展により、個人のバイタルデータを取得するモニタリング機器等が普及し、取得した数値や波形データを頻繁に送信し続けることできます。結果として個人のリアルタイムな健康状態を可視化する生体計測が可能となり、自己管理や診療・健康指導への活用が期待されます。
今後は、複数の生体センサーで収取したビックデータをAIにより解析することが可能になると予想されているよ。
5Gの看護での活用は?
超高速・大容量の通信の活用
大容量の情報を送受信出来ることは看護にとっても有用です。病院や在宅医療の現場で収集された、バイタルサインや日常生活に関するデータ、皮膚状態などの画像データなどの大量のデータを病院ー在宅間で共有することができるようになります。
また通信速度が上がることでリアルタイムの通信が可能となります。その結果、スマートグラス等のデバイスを使用してリアルタイムに医師と情報共有することができるようになり、医療の質の向上、医療スタッフの不安軽減、医師の業務改善等が期待されます。。
最新技術を取り入れてケアを行うことは、ケアイノベーションと呼ばれているよ。
生体モニターによるビックデータの活用
ICT(情報通信技術)の活用、AI による支援、IoT技術の活用により得られたデータが中央に集まりビッグデータとなります。ビッグデータを活かした看護アセスメントにより、より患者さんに個別的な看護の提供が可能になると言われています。また、ビッグデータをリアルタイムにAI解析することにより、異常の早期発見ができる効果も期待されています。
問題点はモニタリングの正確性と、モニタリングとフィジカルアセスメント能力の融合だと思います。現在と変わらないね。
5Gを用いた実証実験の現状は?
国内・国外において遠隔医療の普及を見越して、5Gを活用した遠隔医療の実証実験が進められています。
アメリカでの実証実験
アメリカでは2020年に、5G対応のAR/VR技術を活用して、救急車からERまでの間で遠隔医療や遠隔患者モニタリングを提供する実証実験を行なっています。
中国での実証実験
中国では2019年2月にすでに遠隔ロボット手術の実証実験が行われています。5G技術を駆使してロボットアームを動かし遠隔操作することで豚の肝小葉を切除することに成功しています。術者は50Km離れた場所で操作を行っていたそうです。
また、整形外科に関する遠隔ロボット手術も実施しています。2019年7月に5G技術を活用した2台の遠隔手術ロボットを同時操作し、各地の病院の患者2人に対して同時に手術を行い3次元脊椎ボルト固定手術に成功したそうです。
日本国内での実証実験
2021年3月には長崎大学病院において遠隔診療に関する実証実験を行い結果を報告しています。 離島の中核病院における診療模様を4K内視鏡カメラや部屋全体を見渡す4Kカメラを使用して撮影し、リアルタイムに本土の大学病院に伝送することで遠隔診療支援が実用可能かを確認しています。 離島の高齢者施設とかかりつけ医との間で4k対応のスマートグラスを用いて高齢者施設入所者の正確な容態を医師に伝えることで、訪問診療を代替でき得るかを確認しています。 聖マリアンナ医大病院においては、2021年12月より救命救急センターで実証実験を行っています。5Gを活用して、多数対多数の高精細映像伝送による医師・病院間のリアルタイムコミュニケーションや、医療機器からの大容量動画データの転送、AIを活用した処置状況の判定について実証実験を行なっています。 遠隔にいる医師は、現場にいなくても患者の様子が分かるようになります。そのため必要なタイミングで現場へ出向けるようになり、現場滞在時間の減少、現場に集まる医師数の削減が期待できます。 遠隔から医師がリアルタイムに状況を把握することで、医療行為を行えないスタッフを移動担当者に選定しても緊急時にはすぐに医師が対応できるようになります。そのため移動担当者の人数削減・精神的負担の軽減が期待できる。 CT画像のリアルタイム共有により、医師の移動時間や待ち時間の軽減、画像診断の迅速化によって業務効率化が期待されます。また複数医師の同時関与による診断の質の向上も見込まれます。 X線動画データなどの大容量動画データのリアルタイムな解析が可能になることにより、患者の移動が不要となります。結果として患者の院内移動による負担、医療スタッフの患者移動にかかる稼働の削減が期待されます。 5Gを活用することで高精細な映像伝送が可能となります。結果として、AI解析による自動判定に必要な解像度の確保が期待されます。 5Gを活用することで、効率的かつ効果的な医療の提供が期待されます。医療従事者の業務効率化と長時間労働の改善にも効果があるとされています。 看護師の5Gの活用としては、遠隔診療の補助業務やモニタリング精度の向上、患者移動への活用等が挙げられます。 5Gの普及により、多職種連携・地域連携がより活発になることが予測されます。看護師も広い視野を持つことができるように心掛けましょう。 2030年には6Gが運用されると言われているよ。時代の流れに取り残されないようにしよう! 転職先を探しているけど「なんだか面倒くさいなー」と感じている方は下記の記事を参照してください。 【転職先を探してみたいけど、面倒くさがりな看護師へ】とりあえず、ジョブメドレーで転職先を検索してみよう 看護師としてキャリアップを検討している方は下記の記事を参照してください。 【キャリアップのための看護師転職】格安キャリアコーチングと無料転職サイトを利用した転職術「coachee × ジョブメドレー」 看護系大学院に興味がある方は下記の記事を参照してください。 【看護系大学院への進学手順は?】大学院進学の一歩を踏み出そう!長崎大学病院
専門医の遠隔サポートによる高度専門医療の提供
高齢者施設等における遠隔診療・ケアサポート
聖マリアンナ医科大学病院
360度カメラなどによる映像共有とスマートグラスを利用した医師の手元映像共有
院内をストレッチャーで移動する患者の映像共有
遠隔CT画像の共有
大容量X線動画データの転送
気管内チューブなど位置のAI判定
まとめ
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参考文献
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