Last Updated on 2023年7月19日 by カメさん
こんにちは!看護師のカメさん(@49_kame)です。
この記事は5~6分程度で読むことができます。
今回は研究計画をする上で重要になる、文献検討・文献レビューについて解説するよ。
※文献レビューを行う上で、日本語論文だけでなく海外論文まで幅広く読むことが理想です。海外論文を読むためには基礎的な英語力は必須です。英語に自信の無い方は、下記にカメさんのおすすめサービスを記載するので良かったら利用してみてください。
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個人的には、英語基礎力を身に着けるためにはTOEICが一番だと思うよ。教材も多いし結果もすぐ出るからね。TOEICで英語基礎力を身に着けつつ、海外論文を読むことがおすすめだよ。
文献レビューとは?
文献レビューとは
- あるテーマに関する研究論文や著作物をまとめて評価すること
- 論文を書く際に、研究テーマについての先行研究を明らかにするために用いる
- 文献レビューを目的とした論文もある
- 集積された知見を統合することを目的とした文献レビューはシステマティックレビューやメタアナリシスと呼ばれ、エビデンスレベルが高い
ちなみに文献検討も文献レビューも同じ意味だよ。
ちなみに、文献レビューについての概要をYoutubeでもまとめているので良かったら参照してください。
文献レビューを行う4つの意義
文献レビューを行うと、自身の研究について何が分かっていて、何が分かっていないのかが明確になります。
文献レビューを行うことの意義を4つにまとめました。
文献レビューを形式に沿って行うと、それだけで1つの論文になるよ。
①新たな気づきや発見を得ることができる
皆さん専門家ですので、研究対象とする分野にはそれなりの知識があると思います。
しかし、文献検討を行うことで、自分が想像もしていなかったら理論や研究デザイン、研究結果などを知ることができます。
文献レビューで知識をアップデートしよう。
②既存の研究成果の範囲、研究実施の価値を把握できる
クリティークの記事でも書きましたが、論文では新規性や独自性、社会的意義ということが重要になります。これらは文献検討を行うことで明確になります。
文献検討が不十分な論文は、信頼性のある研究とは認められません。
③問題点の明確化(仮説・概念枠組みの設定)
文献検討を行うことで、自身が描いている臨床疑問・研究疑問が明確になります。
問題点を明確にすることで、目的と結論に一貫性が出て、論旨の整った研究になります。
④研究方法・研究デザインの選択の参考になる
先行研究を知ることで、自分の研究に活用できる良いデザインはないか参考にすることができます。
問題点を明確化した上で、適切な研究デザインを選べたら、説得力が出てくるね!
文献レビューの4つの手順
文献レビュー手順と言っても、「何を調べたいかを明確にして、検索して、読む」それだけです。
上記の手順に沿って、文献レビューを行ってみましょう。難しく考えず、気軽にいこう。
ちなみに、文献レビューの具体的手順はYoutubeでもまとめているので、良かったら参照してください。
①検索用語を特定する
まずは研究対象を表現する用語を特定します。例えば看護教育について研究したいと思っていたら、検索ワードは「教育」や「学習」「OJT」などがキーワードになります。
また、シソーラスで検討するという方法も一般的です。シソーラスに関しては下記で説明します。
色々な分野の論文を読もう!
この段階では、様々な知識を得ることが重要になりますので看護研究以外にも様々な分野の論文を読んでみましょう。新しい理論に触れるきっかけにもなります。
他分野の理論を看護に流入するのも良いかもね!
②文献を検索する
用語が特定できたら次は実際に検索してみましょう。
基本的には、用語を検索窓に並べるとand検索になるので、適当に入力してみましょう。
英語を検索するときは””を活用
英語の場合はnursing educationのように一つの用語でも二つに分かれてand検索されてしまうので、“nursing education”のように””で囲みましょう。
③④論文を選ぶ(タイトルレビュー・アブストラクトレビュー・アーティクルレビュー)
検索結果が出たら、まずはタイトルで良さそうな論文をピックアップ(タイトルレビュー)します。
タイトルでピックアップできたら次は、アブストラクト(抄録)を見て良さそう(アブストラクトレビュー)だったらアーティクル(記事)を確認して読むべき記事を選定(アーティクルレビュー)しましょう。
完全に個人的な意見ですが、看護系雑誌であれば看護科学学会や看護研究学会の論文は質が高いと思います。
ページ数は4ページ以上ある論文が望ましいね。
ここまで来たら、だいぶ絞られたと思うので、選定した論文をしっかり読みこみましょう。
選んだ論文を文献マトリックスにして分析しよう
文献マトリックスとは
- 文献の内容を項目毎に整理したもの
- 効率的に論文を整理・分析できる
下記がいつも僕が使用している文献マトリックスのフォーマットです。この項目にそって文献の内容を入力していくことで効率良く文献を整理・分析することができます。
上部の項目は自分が知りたいことに合わせて変更してみてください。また日本語論文のみをまとめる際は、「国」「タイトル(日本語訳)」「アブストラクト(日本語訳)」などは削除しても問題ありません。
文献マトリックスは、学会発表や論文の表を作る時にも活用できて便利だよ。
論文を適当に検索するだけでも意味がある
ここまで具体的な文献検索の流れを説明しましたが、これは文献レビューの論文を書く際の一つの形式です。
Googleの検索窓に用語を入力して、出てきた論文を読んでいくという方法でも文献レビューはできます。
文献検討をしないよりはましです。どんな方法であれ、徹底的に文献検討を行うと論文は良いものになると思います。
国外の論文だと、論文の背景の部分にこれでもかというくらいに先行研究が記載されているよ。
レビュー論文を書く際はスコーピングレビューがおすすめ
文献レビューの論文を書く際は、形式的な方法を使用することで説得力のある論文になります。形式的な方法の一つにスコーピングレビューがあります。これは、幅広い目的で検索できるけれど、システマティックレビュー程の規則はないという点で医療系の論文で多くみられるのでお勧めです。
看護研究におすすめのデータベース
看護研究に関連する論文を検索する際におすすめのデータベースを紹介します。おすすめのデータベースは下記の5つです。
ちなみに原論文を1次資料、データベースを2次資料と言うよ。
文献データベースに関しても、Youtubeでまとめているので、良かったら参照してください。
J-STAGE(無料)
国内論文を検索する場合は個人的はこれが一番おすすめです。
医療系の論文だけではなく、心理系や教育系など様々な論文を検索することができます。比較的、質の高い論文が多くあると思います。
後述の医中誌と同様に質の低い論文・資料もあるので注意してください。
Google Scholar(無料)
Google ScholarはGoogleの検索窓に入力するだけで使用できるのでとても便利です。
国内論文も国外論文も検索することができます。通常のGoogle検索とは異なり、学術用途の検索ができます。
便利な反面、とても多くの論文が検索されてしまうので論文の質を判断する力が重要になります。
研究対象の現象を概観するために使用するのがおすすめ!
医学中央雑誌(有料)
一般的に医中誌と言われるデータベースです。
これは、医療系論文を多数扱っているデータベースなのでおすすめです。
医中誌のデメリットは「個人で無料で使用することができないこと」「質の悪い論文も含まれている」「国内論文のみ」ということです。これを念頭に置きながら検索しましょう。
所属する学校や病院の回線によっては閲覧できるよ。
PubMed(無料)
これは有名なのでお馴染みかもしれませんが、国外論文を検索するにはPubMedがおすすめです。
無料で使用できますし、無料で公開されている論文も多くあります。もし後述のCINAHLが使える環境であれば、合わせて検索しましょう。
データベース同士で重複する論文もあるので必ず確認しましょう。
CINAHL(有料)
このデータベースは看護を中心にリハビリや介護など保健医療を中心に国外論文を検索することができます。
Pubmedでは出てこない論文を検索することができます。
医中誌と同様に、このデータベースも個人で無料で使用することができないので注意してください。
このデータベースも所属する学校や病院の回線によっては閲覧できるよ。
シソーラス(統制用語の一覧)は文献上の標準的な用語を示してくれる
シソーラスとは
- 統制用語の一覧表のこと
- 文献上の用語の標準化や文献を検索する際にのキーワードの統一の等のために用いられている
- 分かりやすく言うと類語辞典
しそ医学中央雑誌やPubmedなどで利用できます。
自分が知りたい用語の言葉の抽象度の大きさに沿って表示されますので、論文検索のきっかけや論文のキーワードを設定する際に使用しましょう。
PubMedの場合
pubmedであればhome画面の右下にあるMeSH Databaseをクリックして検索窓に気になる用語を入力します。
まとめ
インターネットに公開されているオープンジャーナルがとても多くなりました。便利になった反面、信頼性の低い論文や資料も多く出回っています。
そのため自分が知りたい内容に固執するのではなく、論文や資料の質にも注目するようにしてください。質が高ければ、論文じゃなくても一般の資料やブログでも沢山の重要な情報を得ることができると思います。
形式は気にせず、とにかく検索しよう。研究テーマの先行研究について概観することが大事だよ。
この記事を読んだ方におすすめの書籍を下記で紹介しています。良かったら参照してください。
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